先日、ガーネットみやぎのイベント「ハイ!伊達コプターvol.2」でヘリコプターに乗り上空から被災地を視察できる機会がありました。
そこには茶色に世界が広がっていました。
よく「街は生きている」と言います。
その表現を借りるなら、この茶色い世界はいまだ死んだままです。
私は震災直後、車で帰る際、真っ暗な仙台を目の当りにして「仙台は死んでます」と上司にメールで報告しました。
仙台の街中はその華やかさを失い、都市としての機能を完全に停止し、まさに死んでいました。
中心部はほどなくその伊吹を取戻しましたが、沿岸部は機能どころかいまだ色さえ取戻してません。
街は建物だけで出来ているのではなく、そこに住み集う人々による彩、音、匂い等の喧騒により生きているんだと思います。
そして街が生きているなら、道路や水道等のインフラの復旧だけではなく、その喧騒を取り戻すことが本当の復旧なんだと「茶色い世界」は静かに語っていました。
震災前の街並みに戻ることは出来ないでしょうが、人々の思いが集まり、新たな街に生まれ変わろうとしてます。
そういった意味では街もまた「仮の時間」の中にいるのでしょう。
一日でも早く、たくさんの色に包まれる日を夢見てるんだと思います。